エフェクターのアナログディレイなどで使用される電子部品の名前で、「Bucket Brigade Device」の略語。日本語ではバケツリレー素子と呼ばれる
BBDはアナログ信号をアナログ信号のまま、バケツリレーのように順次渡してゆく事で信号を遅らせる構造になっており、数100段から数1000段の構成を持つ。信号の大きさはアナログだが時間方向はデジタル化された半デジタルとも言える素子である
ディレイ、フランジャー、コーラスなどの様々なエフェクトを実現するための心臓部分と言える素子であったが、エフェクターのデジタル化が進むとともに需要は激減した
BBD 素子を通す事による信号の劣化はかなり激しいものであり、BBD 素子を経由した音は高音が削られたモヤっとしたものになる。これは当時はデメリットとしか捉えられておらず、後にデジタル方式によるハイファイなディレイエフェクターが普及すると、需要が激減した BBD 素子自体もほとんど生産されなくなり、それまで BBD 素子を使用していたエフェクターの多くもデジタル方式になっていった
現在では BBD 素子を使用したアナログディレイのような音は1つの味として捉えられており、デジタル方式であってもアナログ的な音を出すために BBD の特性をシミュレートするような手法も多く使われている
BBD 素子自体は現在では入手困難な状況ではあるが、Maxon やベリンガーなど一部のエフェクターメーカーは自社生産の BBD 素子によるアナログディレイを現在も生産している