カセットテープを媒体として利用するマルチトラックレコーダーの事
それ以前のマルチトラックレコーダーと言えばオープンリールテープを利用するものしかなく、価格も数十万円する高価なものであったが、1979年にティアック社が媒体として通常のカセットテープを利用して4トラックを実現した「TEAC 144 Portastudio(ポータスタジオ)」を発売した。これはミキサーも統合した一体型で、手軽にマルチトラック録音が可能なシステムとなっており、大ヒット商品となる。それ以降各社から同様にカセットテープによる4トラック (後には8トラック対応製品も発売される)のマルチトラックレコーダーが発売され、「カセットMTR」という商品ジャンルが確立された
カセットMTRは、1996年にデジタル化されてハードディスクを利用するマルチトラックレコーダーが登場するまでアマチュアにとって音楽制作の主要なツールとなった。現在のDAWシステムとは性能面では比べるべくも無いが、アナログ記録を行えるレトロな機材としては現在でもファンがいるようである