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KiCad+GerberZipper+PCBWayで基板を作る

この記事はプロモーションを含みます。


9月開催の NT 東京 2025 ではマルチリボン型の楽器を出展予定ですが、実は、NT 東京には間に合わないかも知れないけどもう一つ楽器を準備中です。数年前にギターのように弾ける「Soroban」という電子楽器を作ったのですが、スイッチ部分の耐久性がやはり楽器としては弱いなという事で、耐久性に余裕がありそうなマウスボタンで使われているスイッチにして、ついでにコントローラーも刷新したバージョンを作ろうとしています。
旧バージョン↓


基板設計はいつものように KiCad で進めます。KiCad のバージョンは 9.0.3 です。スイッチは Omron D2LS を使用。
コントローラーは RP2040 を想定しています。

https://www.kicad.org/

3D Viewer で見るとこんな感じ。ここまで表示するには各部品の 3D データを全て準備する必要があるので基板を作るだけならやらなくて良いのですが、筐体設計時の参照にも使えますのであればあったで便利にはなります。余計な時間はかかりますけど。


今回 PCB 製造と SMD 部品の PCBA を以前にも協力いただいた PCBWay に頼みました。ここは深圳の企業ですが、日本語サイトが割としっかりしています。

https://www.pcbway.jp/

基板を発注するには設計データを所定のフォーマットに収める必要がありますので、KiCad のプラグイン、GerberZipper で準備します。プラグインのインストール手順等は下のリンクを参照してください。KiCad の最新版は Ver 9.x ですが、メジャーアップデートに伴ってプラグイン API が更新されていますので、KiCad 9.x で使用するには GerberZipper 1.1.6 が必要ですのでご注意ください。

https://github.com/g200kg/kicad-gerberzipper

GerberZipper で必要な設計データが出力されますが、この中で部品表(BOM)の Manufacturer と Mfg Part # については実際に部品手配に必要な部品メーカー名と部品メーカー側の部品番号が必要ですので、追記が必要になります。この辺は必要な情報さえあれば適切なものを探してもらえるかも知れません。

実装位置を表す POS データについては適切に調整してくれますが、部品の向きの確認などレビューのやり取りは何度か発生すると思った方が良いです。

さて、今回の進行状況ですが PCBWay への発注は 7/24、その後内容について多少やり取りの後、7/29 にGo、何度か内容について連絡しつつ 8/11 製造/SMDアセンブル完、8/15 発送、8/18 到着。今回割と時間はかかりましたが、アセンブリ込みの場合は部品調達の時間が支配的だったりしますので、部品選定を慎重にした方が良いと思います。


なお、KiCad に関して、今後の KiCad の開発スケジュールでは来年の 2 月頃に KiCad 10.x がリリースされると共にプラグイン API の大幅な更新が予定されています。今までのプラグインは動かなくなると思われますので、これに合わせて GerberZipper も「GerberZipper 2」として対応版を準備中です。
まだ途中ですが、GerberZipper2 では DRC の実行や 組み立て時参照用の Fab 用 PDF の出力なども連携する予定です。

https://github.com/g200kg/kicad-gerberzipper2


さて、今回到着した基板はこんな感じ。もう少しまとまったら設計データ等は後日 GitHub にでも上げておきます。

思ったより箱が大きかったですね。段ボールは多少ダメージを受けていますが中身は大丈夫そうです。MCU 周りはこれからまだやる事があるので NT 東京に間に合うかどうかはわかりませんが、機会があれば何かのイベントには持って行きます。


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