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2024/04/19 (2024年04月 のアーカイブ)

Creality K1 のベッドのレベリング

3D プリンタのプラットフォームのレベル調整というと少し前まではなかなか厄介な代物でしたけど、今はソフトウェア的に補正を行うオートレベリングを搭載した機種が多くなりました。ノズルとベッドの間に紙をはさんで硬さを確認しながらマニュアルで調整していた時代から進歩し、Creality K1 も当然オートレベリングなのでレベル調整についてはそれほど気にしなくてもあまり問題にはなりません。とは言えある程度はちゃんとベッドの水平が取れている必要があり Creality 公式に物理的にベッドのレベル調整を行うチュートリアル動画が公開されています。

Service Tutorial K1 How Bed Leveling

この動画を見るとわかるとおり、物理的にベッドのレベル調整をするのは割と面倒そうです。なんとなくのイメージですが物理的な調整でベッド各部の誤差を 1mm 以下程度に抑えれば後はオートレベリングのソフトウェア的な手法で補正すれば良いというのが本来の姿ではないかと思います。

しかしですね。どうせならもっと高精度に物理的な調整を仕上げたい、と。こういうのが 3D プリンターの沼の入り口だとは思うのだけど、気持ちはわかりますね。3D プリンターで何かを作ろうと思っていたはずなのに気が付くと 3D プリンターを作っていた、みたいな話はよくあるようです。


現状を確認する方法

まずは Chrome や Edge 等のブラウザで Creality K1 の IP アドレスにアクセスします。単にブラウザで 192.168.xxx.xxx 等の割り当てられている IP アドレスにアクセスすると Web インターフェースが表示され、その中に Bed Mesh の表示があります。これがベッドの現在の物理的な傾きで X=0、Y=0 の点が前面の左端、全体で 5 x 5 の25点が計測された結果となっています。

このデータを基にオートレベリングの補正が行われるわけです。この辺りは SSH で K1 にルートアクセスして設定を弄ると計測点数を変えたり補間のアルゴリズムを変えたりもできるようです。

スペーサーを追加する

このグラフでは左右方向では左が、前後方向では前方が高くなっています。一番高い点と低い点で 1mm 近い差があるようなので、できれば物理レベルでもう少し水平に近づけておきたい、と言う事で、おすすめはこれです↓。

Bed Shims - Fits Creality K1 and K1 Max

これは 0.1mm 刻みの厚さを持つスペーサーです。ベッドは前方の左右と後方の中央の 3 点で支えられていますので、一番高い点に合わせて差を埋めるようにスペーサーを噛ませる事で全体の水平度が改善されます。なお材料は熱に弱い PLA は避けた方が良さそうです。

ベッド内の凸凹

スペーサーを噛ませて、今回はついでにベッド内の高さの誤差を埋めるため、テープで凹んでいる所を多少埋めてみました。ヒートベッドに直接貼るので耐熱性のあるポリイミドテープが必要だと思います。厚さは 0.05mm 程度なのでまあざっくり 0.1mm 程度に誤差が収まれば充分ですかね。

こうやって再度オートレベリングを実行した結果が下の図です。これくらいの誤差はベッド上で造形物をごそごそやっているだけで変化してしまったりするのでこんなもんじゃないでしょうか。大体誤差 0.1mm 範囲内に収まっています。

Posted by g200kg : 2024/04/19 18:36:52