最近では音声合成関係もいろいろ賑やかになってますので、「フォルマント」とかいう言葉も割合普通に通じるようになってきたのかなあ、と思うのですが・・(ちなみに「フォルマント」は「あ」とか「い」とかの人の声を特徴付ける周波数特性のピークの事です)。このあたりをもう少し突っ込んで行くといろいろ面白い用語が出てきます。
「ケプストラム(Cepstrum)」。この言葉は「スペクトラム(Spectrum)」の頭4文字を逆に並べたもので、スペクトルのスペクトルとか説明されてたりします。要するにスペアナとかで表示されるグラフ(縦軸対数表示)の曲線を信号だと思ってもう一度スペアナにかけるようなものです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ケプストラム
その結果の横軸はフレケンシー(Frequency)」ならぬ「ケフレンシー(Quefrency)」で表され、ケフレンシー領域でのフィルター(Filter)処理は「リフター(Lifter)」と呼ばれたりします。
でこのケプストラムが何の役に立つかと言うと冒頭のフォルマントの抽出に使ったりするわけです。
まあ、面白いなあとは思うのですが、こういうのってもう人をケムに巻く気満々な気がしないでもないです。
ケプストラム分析の手順を機械的に説明されてもいったい何の計算してんだよ!ていう気になる事請け合いです。
フーリエ変換⇒スペクトラム⇒対数化⇒フーリエ変換⇒ケプストラム⇒リフター処理⇒逆フーリエ変換⇒フォルマント
2回目のフーリエ変換以降、スペクトル包絡を取り出すところは単にフーリエ変換を利用したローパスフィルターと同じなのでケプストラムとかを持ち出す前にそう理解しておかないと全体が見通せないと思うのだけどね。