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2017/02/07 (2017年02月 のアーカイブ)

Eurorack Module用ダミーロード

先日たまたまTwitterで電子負荷の写真をアップするラッシュがあったので、この際私の方で使っている Eurorack システムの電源負荷テスト用の機材の詳細を紹介しておきます。

Eurorackシステムの電源は ±12Vと+5Vの3系統ありますのでちょっと厄介なんですが、基本構成は下の図のような感じでそれぞれ独立に負荷がかけられるようになっています。そして、電源モジュールの負荷テストだけではなくて電源とターゲットモジュールの間にはさんでモジュール側の電流チェックにも使えるようになっています。

この時、電圧/電流計にはデジタルパネルメータを使いたいのですが、実はこれが問題で、電圧電流同時表示できるパネルメータって大体こういう構造なんですよね。

つまり負荷のマイナス側にシャントが入っている、いわゆるローサイド検出になっています。これだと+12V/+5V側に使えません。と言う事でパネルメータの改造という暴挙に出ます。


パネルメータ内部のシャント抵抗を破壊するとマイナス側基準の単なる電圧計になるので、外部にプラス側にシャントを入れたハイサイド電流検出回路を作って無理やり電圧を送り込みます。


回路はこんな感じ。ハイサイド検出に使っているオペアンプは電源レベルまできっちり動く奴でないと駄目です。シャントは0.1Ωでちょっとでかすぎ。パネルメータ側の電流計測入力の感度は元のシャント抵抗次第で不明なのですが、かなりの高感度と想像されるのでセンスアンプでの増幅は押さえてあります。シャントを数十mΩくらいにしてセンスアンプでちょっと増幅するくらいの方が良いけど作っちゃったものはしょうがない。"PANEL METER (MODIFIED)" となっているのがシャント抵抗を外したパネルメータです。-12V系はグランド側を-12Vに繋けばそのまま使えます。各系統の内、電源側で死んでる奴がいても他の系統は動くように一応気を使っています。右上の方にあるのは温度が上がった時にファンを回す部分です。


という事で出来が良いという訳でもないのですが、基板はこんな感じになっています。何が駄目って組み立てるとパネルメータとかが邪魔して較正用のVRにアクセスできない所がホントに駄目。パネルに穴開けて回せるようにしておくべきだった。でも1台あれば十分なものだしわざわざ基板を起こし直す気にもならんのだよな。

やっぱり較正は面倒だからねえ。本来はどうするべきかなぁ、わざわざ電流検出を外部に作らず、パネルメータを電圧電流計じゃなくて独立した電流計にして電源周りをDC/DCで絶縁するというのが正攻法だと思います。外部に検出回路作るにしてもハイサイド電流センス専用の石を使えばもう少し簡単になります。あるいは、外部モジュールの電流チェックなんてやらずに電源の負荷テスト機能だけにすればそもそもこんなややこしい事にはならないのだけどね。

ただ、できてみれば使い勝手としてはなかなか優秀です。電源いじるにしてもモジュール側をいじるにしてもこいつを繋いでおくだけで結構捗ります。

Posted by g200kg : 2017/02/07 15:45:21