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2014/05/18 (2014年05月 のアーカイブ)

ユーロラックという奴

さて、昨日Gembox Synthのユーロラックモジュールについて書いたのですが、そもそもこのユーロラックと言う奴、まだまだ知らない人も多いんじゃないかなぁと思うわけです。まあ、私も新参ですので、偉そうには言えないんですけどね。特にソフトウェアメインでシンセとかをいじって来た人にはあまりなじみが無いんじゃないかと思います。

それで、そのユーロラックとは何かと言うと、「モジュラーシンセサイザー」の共通規格の名前です。元々はDIYシンセなんかで有名なドイツのドイプファー(Doepfer)社が採用していたモジュールの規格がデファクト化したもので、パネルの大きさや電源のコネクタが定められています。そして現在では、多くのデベロッパーがこの規格に合わせて様々なモジュールを開発していますので、それらを自由に組み合わせて独自のモジュラーシステムを組み上げる事ができるという世界ができあがっています。

特徴としては1つひとつのモジュールのサイズが今風にかなり小さく、いわゆるラックマウントの3U (128.5mm)の高さで、幅は1/5インチ=5.08mmを1HPとした倍数でモジュールの内容によって4HPとか6HPとか物によっては20HP以上とか様々です。

アナログモジュラーシステムとしてフルセットの機能を持ったものとしては↓のDoepferのA-100のセットなんかがあって結構なお値段だったりしますが、モジュールの単体の値段はそれほどでもないので、とりあえず空のケースだけ準備しておいて欲しいモジュールをちびちび買い足していくような揃え方をする人が多いのではないかと思います。何より、いろんなデベロッパーがそれぞれ特色のあるモジュールを出していますので、組み合わせ次第でどんなシステムにもなるというのが楽しみですね。

このユーロラック、海外では2010年前後あたりから盛り上がり始め、日本ではこの1~2年くらいで結構注目を集めるようになり、今年になってユーロラックモジュールを扱う店も増加中のようです。勿論モジュラーシンセ自体は今となってはもう古い技術ですが、フォームファクターが定まって色んなメーカーのモジュールが同じラックに納まるようになったというだけで、違う世界が見えてくるというのは凄いですね。

なんと言うか、シンセやエフェクターがソフトウェアプラグイン化されてDAW上で自由に組み合わせる事ができるようになって「おお凄ぇぇ!!」とか言ってた時代がハードウェアになってもう一度来たという感じがします。

Five G
Clock Face Modular

かつてのモジュラーシステムで使われていたVCOやVCFなどの単機能モジュールだけでなく、例えば単体で音源として動作するものがあったりテルミンコントローラーがあったりと実にバラエティに富んでいます。
DOEPFER ( ドエプファー ) / A-178 Theremin Controller

Posted by g200kg : 2014/05/18 21:30:03